
ミスホームズ/座組の話
先日、無事に
ミスホームズの婉麗奇譚衒
千秋楽を迎えることができました。
ミスホームズシリーズも3作目。
小さな劇場で、小菅怜衣、船岡咲、吉田菜都実、そして私の4人から始まったお話。
今や19名の大きな座組になり、多くのスタッフ様に支えられ、次で一旦の最終章を迎えます。
私の役は、ミスホームズの助手
和登咲子(わとしょうこ)、いわゆるワトソンです。
助手の役回りは思っているよりずっと大変で。
ミスホームズの言葉を噛み砕いて伝えたり、時には先回りしてヒントを差し出したり。
“自分の感情”ではないところで言葉を紡ぐ場面も多くて、セリフがなかなか身体に馴染まない瞬間もありました。
だからこそ今回一番大切にしていたのは、ただ一つ。
「理解すること」。
物語の構造、人物の思考、その裏にある意図。
そして、この先へと続いていく未来。
1作目から続くこの作品は、“今この瞬間”だけで完結しないからこそ、先々の展開まで含めて、どう存在するべきかを考え続ける時間でした。
作・演出のまっきーさんと何度も言葉を交わし、相棒である小菅とも、たくさん話をしました。
この作品は、誰か一人が引っ張るものではなくて、全員がそれぞれの伏線を背負い、全員で物語を成立させていくもの。
だからこそ、全員に責任があって、全員で紡いでいく作品なんだと、改めて強く感じました。
この座組は、責任感の強い人たちが集まった、いわば“仕事人”の集まりでした。
芝居の質は、最低ラインを軽々と越えてくる。
それを、稽古のかなり早い段階で確信していました。
ここまで同じ方向を見て、同じ道を歩き、同じゴールを見据えられる座組は、そう多くありません。
あまりにも心地よくて、でもその心地よさは決して“楽”ではなく、全員が高い意識で立ち続けているからこそ生まれるものでした。
本番中の集中力は、言葉にできないほどで。
一度舞台に立てば、全員の表情から笑顔が消える。
袖に入れば、それぞれが小さく口を動かしながら、出番ギリギリまで自分の台詞をウィスパーで確認している。
あの空気は、たぶん簡単には作れない。
この責任感の強さはどこから来るのだろうと考えたとき、みんなが口を揃えて言っていた言葉がありました。
「小菅のために」
主演がゴールを決められるように、そこまでの道は自分たちが責任を持って作る。
それを、誰か一人じゃなく、全員が当たり前のように思っている。
こんなにかっこいいこと、ありますか。
そして、その約束をちゃんと“決めていく”みんなが、本当にかっこよかった。
だから私も、絶対に繋ぐ。
誰一人途切れさせないように、全員で繋ぐ。
それだけを考えて、毎日舞台に立っていました。
主演の小菅が愛されていたからこその団結力。
そしてこの座組は、ただ強いだけじゃなく、とても優しい人たちの集まりだったんだと、今、強く感じています。
でもその分、舞台を降りて楽屋に戻った瞬間、ふっと緊張がほどけて、空気が一気にやわらぐんです。
さっきまでの張り詰めた時間が嘘みたいに、笑い声があちこちからこぼれて、みんなの表情も、ちゃんと元に戻る。
あの切り替えの鮮やかさも、この座組のすごさのひとつでした。
あの場所で、あの時間を、このメンバーで生きられたことがとてもとても誇りです。
ご来場くださった皆様、応援してくださった皆様、
そしてこの作品に関わってくださったすべての方へ。
本当に、ありがとうございました。
和登として過ごした時間は、確実に私の中に残り続けていきます。
そしてミスホームズは、次で一旦の最終章へ。
この物語の行く先を、どうか最後まで見届けていただけたら嬉しいです。
来年春、またお会いしましょうね。
